無線LAN(Wi-Fi) SDカードまとめ ~Arduinoで使いたい~

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最近はArduinoいじりにハマっていて、Arduinoとの無線通信がしたくなってきました。
とはいえ、Wi-FiシールドやXbee Wi-Fiは少々お値段が高いですし、いろいろ面倒くさそうです。
特に難しいことをしたいわけではなく、例えばArduinoで観測・記録したデータを無線で飛ばせれば満足。

そこでまっさきに思いついたのは 無線LANを搭載したSDカードです。
カメラで撮った写真を各種Webサービスで共有できるEye-Fiなど有名ですよね。
そこでどのような製品がArduinoコラボと適しているのか、検索しまくって吟味してみたところです。
デジタルカメラ用のSDカードをお探しの方も、もしかしたら参考になるかもしれません。

Arduinoで使用する上で重要なのは、SDカードがSPIモードでの通信に対応しているかどうかです。 (@namururu様の情報に感謝)
そうでないとArduinoのSD LibraryでSDカードを扱うことができないのです。

Eye-Fi

  • 容量: 4 / 8 / 16GB (X2, mobiシリーズ)
  • スピードクラス: 6 / 10 (Pro X2 16GBとmobiシリーズ)
  • 無線LAN規格: IEEE802.11b/g/n
  • 暗号化: WEP, TKIP, AES (WPA / WPA2) ※AESは非常に不安定で非推奨動作対象外とのこと(笑)

恐らく一番有名なのではないでしょうか。
ただ、メディアファイルに特化したもので、専用アプリやWebサービスを通してデータを取得するようです。
また、転送先にFTPサーバーも利用可能らしいので、これが一番融通効きそうですね。( 参考
DCF規格のファイル名を用いれば、任意のファイルを転送することも可能。( 参考
Webサーバー機能はなし。

SPIモード対応。Arduinoでの使用例有。

INoX プログラミング道場: Arduino + Eye-Fi 成功しました!!
ladyada.net: Internet of Things Camera

FlashAir

  • 容量: 8 / 16GB
  • スピードクラス: 6 (8GB) / 10 (16GB)
  • 無線LAN規格: IEEE802.11b/g/n
  • 暗号化方式: WEP, TKIP, AES (WPA / WPA2)

東芝製。Webサーバー機能有り
このSDカードがAP(アクセスポイント)となり、それに接続するというのが主な使い方。
(連携機器を利用することで、サーバーアップロード機能やP2P機能が使えるそうです。)
Webブラウザでアクセスできるので、JavaScriptを使えばかなりいじれる。Ajaxでデータを取得とかしたいし。

ガジェット通信: 『iPhone』のお供に! 無線LAN付きSDカード『FlashAir』の極めて間違った楽しみ方
my FlashAir HTML: https://github.com/cho45/flashair/

SPIモード対応。Arduinoでの使用例有。

ボクにもわかる地上デジタル: Arduino用Wi-Fiに無線LAN搭載SDHCカード 東芝 FlashAir

特筆すべきなのは、FlashAirを用いたアプリケーションの開発のためのサイトがあることです。

FlashAir Developers: https://flashair-developers.com/ja/

ここで知ったのですが、 ステーションモード(インフラストラクチャモード)が利用可能 とのことです。
SDカードのAPに接続するとインターネット接続が切断されてしまいますが、このモードを利用することでインターネット接続を維持できます。
いちいち接続しなおすのは不便ですし、設定も面倒です。
また、SDカードから得たデータを他Webサービスへポストするようなシステムに大変有効です。

[追記]

2013/10/19 Class10対応の8GB版 FlashAir W-02(SD-WC008G)が発売されました。
Class10対応というだけでなく、16GB版と同じW-02(ファームウェアVer2.00)なのでAPIなんかも追加されてます。

[さらに追記]

Class10版のFirmware Ver 2.00.02で、「インターネット同時接続モード」なるモードが用意されました。まさにAPモードとSTAモードの弱点を克服したようなものです。
Developersサイトには随時情報が更新されており、まずArduinoと連携させるんだったらコレを選んでおけば間違いないかもしれませんね。

Flucard PRO

  • 容量: 4 / 8 / 16GB
  • スピードクラス: 6
  • 無線LAN規格: IEEE802.11b/g/n
  • 暗号化方式: WEP, TKIP, AES (WPA / WPA2)

基本的にはFlashAirのように、APとなり Webサーバーが機能している。 (インフラストラクチャもできる)
アプリがなんかいっぱいある。
そしてなんと、telnetdが動いているらしく、正体はARM Linuxということ。
CGIやらRubyやらPHP,Perlなんかも動いてしまうという…、極小コンピュータってことで。

とんすけぶろぐ: FlucardでプログラムとかCGIとか
OSAKANA TAROのメモ帳: Flucardで出来ることのまとめ 2012/04/23版

楽しめそうですが、残念ながら SPIモード 対応

PQI Air Card

  • 容量: アダプタのみ / 16/32GB microSDHC付属モデルもあり
  • スピードクラス: microSDHCカードに依存 / 付属のはClass 10
  • 無線LAN規格: IEEE802.11b/g/n
  • 暗号化方式: WEP, TKIP, AES (WPA / WPA2)

上に挙げたSDカードと異なる点は、microSD HCカードアダプタというところです。
どうも、Flucardの  パクリ 非常によく似たものらしいので、こちらもLinuxとしていじくり倒せるようです。

ひとりぶろぐ: デジカメ内部でRubyを動かす狂気!無線LAN内蔵SDカードアダプタPQI Air Cardの間違った使い方TETRASTYLE-dev-BLOG: 極小 Linux マシンLynx-EyEDの電音鍵盤 新館: PQI Air CardでFTP

また、Arduinoでの使用例がありましたが、Flucardと同じく SPIモード 対応 で失敗に終わったようです。

1up.jp: PQI Air Card + Arduino(ダメでした)

ezShare

  • 容量: 8 / 16 /32GB
  • スピードクラス: 10
  • 無線LAN規格: IEEE802.11b/g/n
  • 暗号化方式: WPA2 (としか記載がない)

サーバー機能あり。 特徴と言えば、Wi-FiをON/OFFする物理スイッチがついている。
上の二つみたいにtelnetにログインとか、変態なことはできない。
そして、SPIモード 非対応。

Transcend Wi-Fi SDカード

  • 容量: 16 /32GB
  • スピードクラス: 10
  • 無線LAN規格: IEEE802.11b/g/n
  • 暗号化方式: WEP , WPA , WPA2

Webサーバー機能あり。
価格が他と比べて安いですよねぇ。というかちゃんと製品名つけてくださいよ~。

日本語での情報はパッと検索すると見当たりませんでしたが、ハックできるみたいです。(英語です。ちゃんと読んでません。)

Hax it! Random hacks: Hacking Transcend WiFi SD Cards
fernjager: Modifying Transcend WiFi SD Card Firmware

なお、SPIモード 非対応。

QlixSynchro

  • 容量: 8GB
  • スピードクラス: 6
  • 無線LAN規格: IEEE802.11b/g/n
  • 暗号化方式: WEP, TKIP, AES (WPA / WPA2)

Webサーバー機能あり。
あまり情報がないですね~、一応デジカメ Watchより「デジカメに無線LANを追加する『QlixSynchro SDカード』
QlixSyncとかいう専用アプリがありますが、面白いのは「本アプリは東芝製FlashAirに対応しています。」と書いてあります。
なんかさ、商品画像みるとSDカードの配色といい形状といい、FlashAirそっくりなんだけど。
OEMの可能性もあるので、もしかしたらSPIモード対応かも。

他の製品に比べ、機能、価格面でとくに特徴もない。アプリで自社サービスと連携だけって感じか。

CloudFlash

  • 容量:  アダプタのみ / 32GB付属モデル
  • スピードクラス: microSDHCカードに依存 / 付属のはClass 4 (東芝SD-C32GR7W)
  • 無線LAN規格: IEEE802.11b/g/n
  • 暗号化方式: WEP, TKIP, AES (WPA / WPA2)

Webサーバー機能あり。
デジナビが6月21日発売した、結構新しい製品。PQI Air Cardと同じくmicroSDHCカードアダプタ。
これまた情報が少ない。

サイトで東芝、 SANDISK、Panasonic製のSDカードを推奨と書いてある。
付属マニュアル、専用アプリ、サーバー機能のWebページはまだ英語のみらしい。

開発元のサイトではSDW-829という製品みたいです。
デジカメWatch「5台に接続可能な無線LAN搭載microSDカードアダプター」のSDカード裏面を見ると、思いっきり書いてありますね。
デジナビは「CLF-WF01」とか型番付けてますけど、そのまんま。
また、エバーグリーン(上海問屋)から発売された、DN-84717というのも同じようです。

Sky Share S10

  • 容量:  16 / 32GB microSDHCカード付属
  • スピードクラス: microSDHCカードに依存 / 付属のはClass 10
  • 無線LAN規格: IEEE802.11b/g/n
  • 暗号化方式: TKIP, AES (WPA2)

Webサーバー機能あり。
Silicon Powerより先月発売したばかり。アダプタのみの販売はないようです。


以上、お粗末ではありますが、一通り出回ってるものを調べました
たぶんいろいろ間違ってるところもあると思いますので、ご注意ください。

そして、Arduinoに使用するものは、FlashAirにしました。
実例があるのと、API等も公開されていますし、ちょっとしたWebアプリを作るのも楽そうです。
でも、ハックできちゃうPQI Air Cradとかもかなり興味あるので、機会があれば購入したいですね~。

また、実際の使用など気が向いたら書きます。

追記: FlashAirを買った

FlashAir(8GB SD-WB008G)買いました。詳しくはまた記事を書こうと思います。

追記2: FlashAir + Arduino

OSC 2014 Tokyo/Springへ行ってきました。
FlashAirセミナーでArduinoとFlashAirの組み込み事例について紹介があったようです。
ブースでの展示もありましたー。

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